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理事長のご挨拶

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日本糖尿病眼学会について
 理事長 瓶井 資弘
(愛知医科大学 眼科)

 2023年1月1日付けで日本糖尿病眼学会の理事長を拝命いたしました、愛知医科大学眼科講座の瓶井資弘(かめい もとひろ)と申します。私で第4代目の理事長となりますが、1995年の設立以来、日本糖尿病眼学会は、1)内科医と眼科医との共通の理解・協力の上で成り立つ学術的な糖尿病眼合併症の研究、治療の確立、2)医師とメディカルスタッフの連携、3)患者の教育、看護。そして不幸にして失明、あるいはそれに至る患者のケア、の3つを目標に掲げ、糖尿病による眼合併症の克服を目指して活動して参りました。

 創設以来の30年間で、社会は大きく変化し、糖尿病学および眼科学も進歩しました。それに伴い、糖尿病網膜症の治療も大きく発展しました。糖尿病網膜症は長らく我が国の失明原因の第1位でしたが、近年は3位にまで順位を下げることができました。その理由としては内科的治療の進歩、内科-眼科の連携強化、眼科における網膜光凝固や硝子体手術の普及・改善、そして抗VEGF薬の登場などが挙げられ、本学会もその発展に少しは寄与してきたと思います。

 一方、社会の変化で言えば、1995年当時、スマホは未だ世になく、学会発表もパソコンで行うのではなく、フレームに入ったスライドを映写していました。このような医学・医療、社会の大きな変化につれて、学会も変わっていくべきであると考えます。そこで、初心に返り、学会とは何か、本学会の存在意義は何か、を問い直してみたいと思います。

 Wikipediaで検索すると、学会は、研究者らが研究成果を発表し、その科学的妥当性をオープンな場で検討論議する場とされています。また、文化団体として学者の利益を代表するなどの役目もあると記載されています。このことからも、研究成果を創出し、世界に向けて発信することで国際的に認知されるようにすること、その成果を社会へ還元することを、今まで以上にフォーカスして活動していくべきと考えます。

 具体的には、学会主導の前向き研究を公募し、データ創出を支援していこうと思います。我が国の長所である緻密な研究立案・遂行、人種差異の少なさなどに加え、本学会の特徴である内科と眼科の協力の下で行う研究に特化すれば、国際的に貴重なデータを生み出せることができると考えます。

 また、若手、女性に活躍の場を提供する学会でありたいと思います。日本糖尿病眼学会では、これまで「学術奨励賞“福田賞”」・「メディカルスタッフ奨励賞“堀賞”」の顕彰活動などを行っておりますが、さらに活発化させるべく、新たな枠組みを考えていきたいと思います。参加したい学会、学問的に楽しい学会、国際的に認知される学会を目指して、邁進して参る所存です。皆様の温かいご支援、ご指導ご鞭撻をお願い申し上げます。